カイロプラクティックとは


カイロプラクティック(Chiropractic)とは、1895年 にアメリカ、ダベンポートのD.D.(ダニエル.デビッド.)パーマーによって創始された手技療法です。ギリシャ語で「手」を意味する「カイロ(Chiro)」と 「技」という意味の「プラクティコス(Prakticos)」を合わせた造語です。 

 

D.D.パーマーはどうして同じように生活をしている人々の中に病気にかかる人と、かからない人がいるのかに疑問を持ちそれを探求しました。その結果、人間に本来備わっている自然に治ろうとする力(自然治癒力)が「何か」によって邪魔されているから病気になるのだと結論づけました。そしてその「何か」は、背骨の異常として現れると考えました。

今日カイロプラクティックは、アメリカやイギリスなど主要な34の国と地域で法制化されており、世界85ヶ国で国際基準のカイロプラクターが活躍しています。それら85ヶ国のWHO基準のカイロプラクターによって組織された世界カイロプラクティック連合(WFC)は、国連のWHO(世界保健機関)に正式に承認され、WHO基準のカイロプラクティックは西洋医学以外で認められた代替医療です。WHOは他の代替医療は鍼灸しか認めていません。

-整体とは

 

我が国には"療術(法)"などと総称される様々な民間療法が、非常に古い時代から存在していたようです。それは西洋医学も今日ほどの臨床能力が高く無かった時代、昭和初期頃までは国民の健康を担うものとして認知され、それら民間療法はその効果から国民から大変信頼を得ていたようです。

 

そうしている内に西洋医学は科学の進歩とたゆまぬ研究によって、その効果を増し民間療法を上回る信頼を国民から得るようになります。同時に民間療法ではその技術の伝承が大変難しく近代の様々な社会的、歴史的経緯によって伝承が途絶え始めます。

 

これを憂慮し、日本国中の療術を探索、収集し、1つに纏めようという機運が高まり当時の療術師会において「整体操法制定委員会」が組織され昭和18年12月から翌年の昭和19年にかけ、同委員会で7ヶ月審議を重ねた結果、それらを「整体操法」としてまとめます。

 

しかしながら民間療法の統一を図りながらも、それぞれの民間療法をそのままの形で保存しようと法制化運動を行いましたが、その試みは成功せず、「整体」という言葉だけが広く普及してしまったようです。その後、社会構造の変化にともない柔道整復師や按摩マッサージ指圧師など一部を除いて民間療法は法律外のものとなり、歴史的経緯が詳しく発表されていないこともあり、結果的に多くの国民にとって「よくわからないもの」になっています。

-WHO基準


WHO基準のカイロプラクターとは、WHO(世界保健機関)で示された教育と安全に関する指針にもとづき、世界カイロプラクティック教育審議会(CCE)に公認を受けた大学の教育を修了した者を指します。 大学では解剖学、生理学などの基礎医学、カイロプラクティック学、臨床実習などを含む全日制4年~5年(4200時間以上)の教育が行われます。この教育課程をすべて修了したWHO基準カイロプラクターが行うカイロプラクティック業務がWHO基準のカイロプラクティックと言えます。 

 

したがって、アメリカやヨーロッパ諸国などの先進国ではカイロプラクティックの教育機関は公的に認められた大学のみで、専門学校や私塾のようなものは存在しません。 WHOが、このような厳しい教育指針を設けているのは、世界中の健康を求める人々が、安全で適切な水準のカイロプラクティックを享受できる環境を、全世界に整えるためです。 しかしながら、現在の日本ではカイロプラクティックは国家資格にあらず、民間資格で誰でもカイロプラクターを名乗ることができてしまいます。そのため施術を受ける際にはWHO基準のカイロプラクターであることを確認することをお勧めいたします。

 

厚生労働省による適正なカイロプラクター登録制度が設置されるまで日本カイロプラクティック登録機構が代替的な役割を担っており2023年12月末時点、厚生労働省に提出しているカイロプラクター名簿には624名が登録されています。

-カイロプラクティックの適応と禁忌

 

以下に主な適応症状と禁忌症についてリストしますが、本来カイロプラクティックは予防を目的としたヘルスケアであり、症状(病氣)に対して治療を行うのではなく、病氣にさせてしまった機能の滞りを調整しますので、症状に対する治療ではないことをご理解ください。

また、下記にリストされた禁忌症に対してもそのような考えから、直接危険を及ぼすことがないようWHO基準のカイロプラクターである私たちが適切に判断し、医師と協力のもと施術にあたることも可能ですので、あきらめずに一度ご相談下さい。どのような病氣であっても機能回復の向上は自然治癒力を高める上で必要だからです。

 

 〈適応症(効果が期待できる症状)〉

● 頭、首、肩の症状

  頭痛、偏頭痛、片頭痛、緊張型頭痛、頚性頭痛、筋筋膜痛症候群、めまい、耳鳴り、首の痛み、頚椎椎間板ヘルニア、むちうち症、寝違え、肩こり、など

● 背中、腰、お尻の症状

  背中の痛み・張り、腰痛、ぎっくり腰、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管症候群、椎間関節症候群、お尻の痛み、坐骨神経痛、梨状筋症候群、など

● 上肢の症状

  肩の痛み、四十肩・五十肩、インピンジメント症候群、胸郭出口症候群、腕の痛み・痺れ、肘の痛み、肘部管症候群、手首の痛み、手の痛み・痺れ、手根管症候群、腱鞘炎、など

● 下肢の症状

  股関節の痛み、膝の痛み、足首の痛み、捻挫ぐせ、足のむくみ、足根管症候群、足の痛み・痺れ、足底筋膜炎、偏平足、外反母趾、機能的O脚・X脚etc

● 女性特有の症状

  生理痛、生理不順、更年期障害、妊娠時の腰痛、産後の腰痛・骨盤矯正、産後の腱鞘炎、など

● スポーツによる症状

  スポーツ障害、テニス肘、ゴルフ肘、野球肘、野球肩、パフォーマンスアップ、など

● その他

  側彎症、姿勢改善、骨盤矯正、全身疲労、慢性疲労、不眠症、冷え症、自律神経失調症、各種アレルギー、ストレス解消、リラクゼーション、体のメンテナンス、サブラクセーション、など

 

〈禁忌症〉

  癌、出血しやすい病気、高熱の病気、伝染病、骨折、脱臼、その他刺激を避けなければならない病気、など