竹島 Blog 9/優れた店員に学ぶ提案力

たまに街など歩いて買い物をする時に、「この店員さんはすごいな。」と思う人に会うことがあります。数年に一度の割合です。

私は買い物をする際に、販売員の接客技術をみてしまいます。接客技術が買うか買わないかの判断のパーセンテージとしては高いですね。つまり物が良くても対応が悪いと買わない。物がいいのか判断がつかない時は販売員の人柄や接客技術を見て、合格点なら買い物をしたりします。

つまり販売員が「自社の商品に誇りをもち、お客様のためを思った最大限の提案をしているか」を見ていることになります。

どんなよい商品も営業する人がいないと消費者には届かないものです。それをわかっている販売員は多く、商品をどんどん提案をしてくれるのはありがたいですが、多くの販売員は自分の「買ってほしい」気持ちで売っているように思います。

もちろん販売ノルマなどはあるのだろうし、諸事情はわからなくはないですが、ただ、単なる「買ってほしい」気持ちは販売員側の都合に過ぎない、と思います。ただし、ここがポイントでお客様のためになる商品をよく考えた上で商品提案できた場合には、買って欲しい気持ち全開なのが正解なのです。 

ここは気持ちの部分なので、側から見れば見分けは難しく、究極のところ本人にしかわからないのですが、商品提案の原点は「自分のためでなく、相手の幸せを願って提案できたか。」だと感じます。そして消費者も無意識に販売員の気持ちを見抜いているものです。

 

ですので、販売成績を上げたければ、まずはこの気持ちの部分を確認することが必要だと考えます。自分はどっち側に立って物を売っているのか。自分のために売っているのか。相手にとっていいものを勧めているのか、はまったく別物です。
また、自分の販売している商品に自信が持てないなら、または自社商品を愛していないなら、きっとその先は厳しいだろうなと思います。自分がいいと思わないものを他人に勧めることになるからです。やはり自分の信頼できるブランドで働く方がいいと思います。


さて、先日会った男性の若い店員さんには提案力について学ぶことが多いです。

以前から何回か彼のお世話になっていますが、彼は素晴らしいと感じていたので、買い物の度に彼の接客術を褒めていました。私は優れた人をすぐ褒める癖があります。誰に対してもそうですが、感動した時に相手にすぐ言うようにしています(笑) 

以前に春色のパンツの試着した際の話です。
彼は同タイプのサイズ違いの2点を控えとして試着室の傍に用意したばかりでなく、同色で素材違いの物も3サイズ用意し、さらに同色で型違いのワイドパンツまで用意して、私の試着が終わるのを待っていたのです。通常は同タイプ、サイズ違いの2点しか用意しません。彼は頼まれてもないのに、お客が欲しそうで、お客が選択時に悩むであろう候補を予想して先回りして用意していたんですね。これには驚きました。きっと一般の店員ならやり過ぎを恐れてできないでしょう。

 

また先日はブラウス1点を買って帰ろうとしている私をやんわり引き止めて、カウンターで売っている時計について「お勧め」を始めました。あまりに爽やかに始まり、心から商品を愛した説明をしてくれるので聞く気はなかったはずなのに、聞いてしまうんですね。 

始め私は「時計とは思い入れがあるものだし、高いものだからかなり探して探して気に入った物が見つかった時に稀に買い物するので、買えないよ。」と言ってましたが、彼の提案はまた違った角度からでした。「こちらに並んでいる商品は、1~3万円台で日常で付け替えを楽しむために買われる方が多いです。男女ユニセックスなものもあるし、男女がペアで買って幾つかの中でも楽しめます。前にお買い物をされた時も腕時計されていませんでしたよね?今日もされていませんが、お客様にあの時提案すべきだったな、と思っていたんです。」

販売トークとはいえ、前に私が腕時計をしていないことを知っているということはその時から次の商品提案を考えていたんだな、とわかります。比較的低価格帯の時計なので、洋服とのセットアップで売るやり方なんだとは思いますが、普段からトータルコーディネートを意識している人間でないとできない提案だとも思いました。

 

洋服も安くはないので、一般的に単品売りが殆どの中、1品買った人に次の1品を勧めるなんてことはどこの店員もしないんですね。しかし彼は関係なく提案してきます。他にアクセサリーなども彼のイメージにあるらしく、洋服+αで店内の商品をトータルでよく掴んで提案しているな、とわかります。 

お客が望むものを控えめに勧める販売員は多いですが、相手の好みを聞きつつ「これがいいですよ。」とハッキリ結論づけて売ってくる店員は新鮮です。数ある商品の中で本当にいいものを売ってくれるとわかればこちらも信頼できるからです。

そして今回、自分の仕事においても「いいもの」については遠慮なく提案していいんだなということが勉強になりました。
それは商品そのもの、とそれを組み合わせる自分のセンスに自信があること、そして相手のことを最大限に考える気持ちがあること、がもちろん大前提なのですが。

私もこれまでお店の患者様にご提案する際にどこか遠慮がありました。つまりお勧めする自分の心の方が整っていなかったということですね。

「いいもの」は相手のことをよく考えた上で遠慮なく勧めなくてはいけない。そして提案とは、もちろん相手側ありきなのですが、自分の心に本すじが見えていること、だからこそブレが無く勧めることが可能となること、つまりはすべて自分次第、ということがわかり、とても納得しました。行きつく答えは、やはりシンプルです。

 

ナチュラルケア水道橋外来センター

文:竹島